2006.03.18

不滅のヒーローたち

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大藪春彦没後10周年だそうだ。

そういえば10年ぐらい冒険小説から遠ざかっているかもしれない。
冷戦終了後にネタがなくなって、冒険小説自体が古典になりつつある気がする。
(最近のものを読んでないのですいません)

この本も中身は相変わらずの大藪調なのだが、なにが一番びっくりしたかというと
巻末の大藪自身の年譜である。

朝鮮半島に生まれ命をかけた引き上げ、
その後の小説と射撃への傾倒・・・。

晩年、NHK「今日の健康」に出演して、健康であることや妻への感謝をかたっていたのは、強靭で冷酷なスーパーヒーロー生みの親の別の一面を見た思いがして、微笑ましい。

ボローニャーソーセージの好きなヒーローたちに合掌。

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2006.02.03

不味い・・・

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テレビにときどき出てきて腐ったものを(発酵食品)を「うまい!」といってバクバク食べてる人の本。

「不味い!」ものの本なんか読んで面白いの?・・・・と言われたが、これは閾値の本である。つまり、「不味いもの」の定義をすることにより「旨いものとは何か?」を浮かび上がらせるのだ。「旨いもの」「旨いらしいもの」しか取り上げないグルメ本とは違う。もちろん天然素材のものはたしかに旨い。でもたまには、カップラーメンや味の素バリバリ利いた町のラーメン屋の野菜炒めも食いたいな(毎日じゃやだけど)。閾値は人それぞれ。

けして味や素材(著者の専門)だけでなく、その店の雰囲気や店主の態度(たとえばラーメンを運ぶときに指が入っているとか)にも言及しているところが面白い。

自分の場合は、ある古びた鰻屋での出来事。
何度か折で買っていて旨かったので、一度店に入ってみた。古ぼけた店と同化しているおばあさんが、接客したのだが、注文をとり鰻を運ぶとき以外、ずうっとテーブルの真横から見ているのだ。そこがおばあさんの定位置なのかもしれないが、折で食べたとき旨かったはずの鰻はとても「不味かった」。

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2005.12.10

プラネタリウム

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なんだかよくわからないけれど、実はプラネタリウム。
学研「大人の科学」10月ごろ「違いのわかる・・・」のCMにぶつけて発売されたのに買いそびれていた。
売り切れで、やっと入手。子供の誕生日に。(実は自分が欲しかった)

プラネタリウムが最近少なくなっているが、まえに関係者から聞いた話だと、機器の保守費用が高くビジネスモデルが成り立たないらしい。公営でないとだめだとのこと。デジタルプラネタリウムへ移行する動きがあるようだが、この大平さんのものは光学式でかつ新しい仕かけがあるようだ。

こんなに細かい穴があけられるのもデジタルの恩恵ではあるが。


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2005.10.25

地下鉄(メトロ)に乗って

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み さんに教えてもらった「地下鉄(メトロ)に乗って」を地下鉄(メトロ)の売店で売ってたので買った。よもうと思っていたが忘れていたのだ。本とのめぐり会いなんてこんなものだ。検索してアマゾンで買うだけじゃない。

この本でタイムスリップする時代は東京オリンピックの少し前、ちょうど自分が生まれたころ。会社の帰りに有楽町の定食屋(時代考証が破たんして演出過剰なまんぷく食堂ではない。)で少し飲んで、もうすぐ解体する三信ビルを通りぬけて、地下鉄(メトロ)で帰宅。まるで封印された地下街が見えるようだ。

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2005.08.09

骨だらけ

「江戸の町は骨だらけ」

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hirohideさんにいわれたのは、「東京の人は神仏が身近で、話をしていると自然と神の名前が出てくる・・・」ということ。東北の人にいわれるのは意外だったが、この本を読んでその理由がわかった。江戸は、都市化で流入してくる部族がそれぞれの信奉する神仏を持ちこんだから、日本のあらゆる神仏が集合しているのだ。これに比べて一見古くからの風習や祭りが残っている地方のほうが、均質的な一神教的(その土地の藩や部族神)傾向が強いのかもしれない。

確かに、氏神の根津権現の境内で遊んで、初もうでは川崎大師、西新井大師、帝釈天、豆まきは上野大黒天、祭り見物は浅草三社、受験は湯島天神(失敗すると亀戸天神にくらがえ)・・・と我が身をふり返ると節操ないこと。寺町に育った人間としては、神仏が身近であることを通りこして、神仏の上に住んでいることを自体が普通。江戸の寺院はたび重なる大火や都市再開発で周辺に移転をくり返し、上ものは移転するが骨だけは残されているそうだ。この本を読んですっきりした。江戸の地霊に合掌。

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2005.06.12

模倣される日本

「模倣される日本」浜野保樹

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オタク文化の海外進出は、想像以上だ。アメリカやヨーロッパの若いやつは、ジャパンアニメに洗脳されている。カラオケにつぐ第二の文化輸出かもしれない・・・。なんて思ってたら、浮世絵のころと状況は同じ。日本はとても模倣されているのだが、そのことに気づかない。なぜかというと、相変わらず日本人は海外を模倣することしか考えないから・・・。

このBLOGネタ・・イタリア街、日本橋に蓋をした愚挙、新橋=ポンヌフ探検、くそ食らえI love東京プロジェクトなんか、取り上げているけれど、海外を模倣することの滑稽さと日本を模倣するガイジンの滑稽さを楽しむ感覚、この本はよき解説書だ。

「誰も東京という町をしらない、東京という町は西洋の模倣を続け、景観を破壊しつづける、でも神楽坂はあくまで神楽坂だ・・・」この感覚はとても共感できる。東京は別にどうなってもいいし、どんなイメージをもたれようとかまわない。でも浅草や上野や銀座や日本橋はそれぞれの町のありようを続けてほしい。まったく同感。

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2005.05.24

さおだけ屋はなぜ潰れないか

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」

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江戸時代から数ある引き売り系の商売。納豆売りや金魚売や蜆売やらいろいろあったようだが、我が家の近所は、まだラッパを吹きながら豆腐屋が回ってくる。たしかに「さおだけ屋」は全国的に存在するようだ。路上観察をしていると、よく商売なりたっているなと思う物件も多い。

この本は、そんな珍商売を紹介するのではなく、わかりやすく会計・・・いやビジネスを解説しているものである。わかっているつもりだったが、改めて認識する会計の考え方。あまたあるビジネス本も結局単純なことを言っているに過ぎない。(最近読んだ「青木雄二の一生困らない「ゼニ儲け」のツボ」も同じような気がする。)

単純だけれど、商売は難しい。

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2005.03.21

暮らしの手帖

近所の小児科で「暮らしの手帖」を見た。

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エコナクッキングオイルの効果について、”確かに効果はあるが普通の人には不要”との結論。

この一切広告のない雑誌の気持ちよさ。

ただテスト方法がこれでいいのかという疑問は残る。少ない紙面で結論をわかりやすくする過程で問題はないのか。差し油で十分(継ぎ足せば、油の疲労は少なく保て、毎回油を捨てる必要はない)とのことだが、そもそもきれいに焦がさず揚げる技術は難しい。私はいつも最後は黒い油になって捨ててしまう。(NHK的な結論誘導を感じる)

一方で、エコナに一定の評価(これはうそを暴くというような週刊誌的姿勢でない)を与えつつ、取材協力花王とある。どんなに、制作と営業をきりはなしても、公共性というのは”広告モデルではありえない”。必要な情報へ正当な対価をストレートに払うほうが正しいことの証明。(お台場方面の方へ・・・。)逆説的に、サブスクリプションモデルこそ公共性が高い・・・つまりNHK。なんかいつの間にか放送の話になっちゃった。

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2005.03.07

湾岸地域

シオサイト近辺の情景。

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大阪の新梅田食堂街のような新橋駅前ビルの地下から、一転してシオサイト方面へ抜け日テレのエスカレータを上りながら、村上龍の「愛と幻想のファシズム」を思い出した。あれもたしか、湾岸地域のビル群の足元に、多国籍な屋台店の広がるカオスがあったと記憶している。

ディーテルは別として、バブル後の金融システム崩壊、旧守派とはまったく異なる行動原理をもつ勢力の台頭をえがくこの小説は、最近の情勢をかなり予見していた。六本木とお台場の戦争も、金融システムとメディアの戦争のようだ。ホリエモンには小説ほどのカリスマ性はないが・・・・。

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2005.03.06

「ショージ君の旅行鞄」

ご存知ショージ君の旅行記。

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漫画より週刊誌の食い物ページにおける薀蓄は、妙に納得がいくものばかりだ。旅行記も楽しめる。すべての食べ物に対して、同じ視線でのつぶやき。漫画と違ってショージ君、世界を豪遊する旅行記だが、この視線はぶれない。どんな材料をつかっているか、どんなレシピか?・・・ということより、どんな街にあり、どんな人がやっていて、どんなシチュエーションで、そしてどんな姿勢でたべるか?・・・・ということが広く食を楽しむことと認識する一冊。(それにしても分厚い)

やっぱり椎名誠の文体・思想のルーツはショージ君にあり。

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